歌の翼に
        ~そよ風にのせて~
      
      
      
          [ 2013.03.20.発売 ]
            Beltaレコード / YZBL-1033 ¥2,500(税込)
チェロ & ピアノ:1,3,4,7,11,12
            ピアノ:2,5,6,8,9,10
◆収録曲 & 試聴◆
「歌の翼に」によせて
◆青澤唯夫(音楽評論)
チェロとピアノのデュオは、耳によく馴染むけれど、演奏する側には多くの難問がある。
            ショパンはピアノ音楽を専門にした作曲家だが、他の楽器ではチェロを愛し、ピアノとチェロが活躍する佳曲を残している。
            しかしあの天才にして、ピアノとチェロの音楽的バランスにはいつも苦心していた。「レ・クロッシュ」の宇宿姉弟デュオの魅力は、2つの楽器の音楽的バランスに優れ、単に息が合っているというだけでなくて、相手の心理や習、長所や短所、音楽的欲求まで完全に理解し合っているところにあるだろう。
            血は争えないし、同じ環境に育ち、音楽的なバックボーンを共有している利点は明白である。
            それはどんな名手であれ、即席のデュオには不可なことにちがいない。
            このアルバムは、豊かに響く伸びやかなチェロと華麗なピアノが心を合わせ、古今の名旋律を流麗に奏でている。
            2人の自在な演奏、親密な呼吸が生きて、音楽の自然な流れを妨げることは決してない。選曲の妙もあって、まさに「歌の翼に」乗っているようではないか。
            しかも二重奏曲だけでなく、ピアノ・ソロの名曲も鮮やかな演奏でしっかり収められている。
            このCDは、誰もが手元において繰り返し聴きたくなる、大切な愛聴盤となることだろう。
 歌の翼に